失敗しない湯治宿の選び方完全ガイド(湯治宿快適度指数)

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管理人の湯めぐりウサギです。

今回は、私が独自に作成した「湯治宿快適度指数」をご紹介しながら、湯治宿選びの際に事前に確認しておきたいポイントについて解説します。

私自身もプチ湯治を楽しむ一人ですが、本ブログの目指すところの一つである「源泉かけ流し温泉の存続・活性化」を考えるうえで、湯治文化に注目し、その魅力を発信することは非常に意義があると考えています。この記事が、「湯治をしてみたいけれど、どの温泉宿が湯治に適しているのかわからない」という方の参考になれば幸いです。

以下に、湯治宿快適度指数の各評価項目と、その設定理由について簡単にご説明します。

そもそも湯治とは何か

湯治(とうじ)とは、日本で古くから行われてきた伝統的な療養方法で、温泉地に一定期間滞在し、温泉に繰り返し入浴したり、温泉水を飲用したりして、病気の治療や体調の回復、健康増進を図ることを言います。

単なる観光目的の温泉旅行とは異なり、湯治は医療的な側面が強く、慢性的な病気やけが、疲労回復、リウマチや皮膚病などの症状緩和を目的に行われます。

湯治を行う際は、湯治場と呼ばれる温泉地に長期滞在し、自炊をしながら規則正しい生活を送るのが伝統的なスタイルですが、最近では2~3泊の短期間で気軽に体験できる「プチ湯治」など新しい形の湯治も広まってきています。

湯治宿快適度指数

湯治宿を客観的に評価できるよう、独自の『湯治宿快適度指数』を作成しました。この指数は50点満点で、私自身が複数回にわたってプチ湯治を体験した実感をもとに、重要と考える要素を盛り込んでいます。ただし、各項目の配点はあくまで私個人の主観によるものであり、客観的な根拠があるわけではありません。そのため、読者の皆様それぞれが重視するポイントに応じて、自由に点数配分を調整していただいて構いません。

以下に、各評価項目を設定した理由について簡単に解説します。

評価項目配点評価基準
受け入れ態勢①湯治プランの有無・HPでの言及7点専用プラン有(7)、文言のみ記載有(4)、記載無(0)
②リーズナブル料金6点1泊5千円未満(6)、5-7千円(3)、7千円超(0)
③国民保養温泉地3点指定有(2)、無(0)
温泉④源泉かけ流し7点100%掛流(7)、循環式(0)
⑤湯治歴(歴史的実績)6点100年以上(6)、50-100年(4)、50年未満(2)、実績なし(0)
食事⑥健康食事5点自炊可・健康食事の提供(5)、非高カロリー・適量の食事プランあり(3)
⑦食事バリエーション4点自炊施設完備(4)、長期滞在者用メニュー提供(2)、バイキング形式・飲食店街有(1)
環境・場所⑧静寂度6点郊外(6)、市街地(2)、都市部(0)
⑨自然環境6点散歩コース3以上(4)、1-2(2)、無(0)

受け入れ態勢

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現在の温泉旅館の多くは、中長期滞在の湯治客をあまり想定しておらず、短期滞在の観光客向けのプランやサービスを中心に展開しています。そのため、こうした旅館に湯治目的で宿泊すると、宿側のサービスと利用者のニーズが合わず、さまざまな点でミスマッチが生じやすくなります。

一方で、そうした環境下であえて湯治プランを設けたり、湯治について明記している旅館は、湯治客の受け入れ体制が十分に整っている可能性が高いと考えられます。

また、中長期の滞在はどうしても費用がかさむため、リーズナブルな料金で宿泊できるかどうかは非常に重要なポイントとなります。

さらに、環境省では温泉の公共的利用を促進するため、温泉利用の効果が十分に期待でき、健全な保養地として活用されている温泉地を「国民保養温泉地」として指定していますが、この指定を受けている温泉地は、湯治効果に注目した取り組みが行われており、国から一定の評価を受けていることになるため、選択の際の加点要素としています。

温泉

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湯治にふさわしい温泉の要素として、お湯が常に新しく保たれるため、温泉成分が薄まることなく、泉質本来の効能を最大限に享受できる源泉かけ流し温泉であることは非常に重要です。

特に二酸化炭素泉放射能泉(ラジウム泉)などは、含まれるガス成分が空気に触れることで失われやすく、鮮度が重要とされています。そのため、これらの泉質を湯治目的で利用する場合は、源泉かけ流しの温泉を選ぶことが推奨されます。

また、湯治の効果については、科学的な検証が十分とは言えない部分もありますが、実際に湯治場として長い歴史と実績を持つ温泉地では、利用者の体験や観察結果から健康増進効果が認められてきました。例えば、古湯温泉でのモニター調査では、血圧の低下や抗酸化能力の向上など、健康に関する有意な変化が数値として確認されています。このような歴史的実績のある温泉であれば、科学的根拠が十分でなくとも、湯治効果が高い温泉であると推察できます。

加えて、指数には取り入れていませんが、温泉には泉質別に効能禁忌症がありますので、これらについては必ず確認し、自身の症状により適した温泉、逆に症状を悪化させる恐れの無い温泉を選ぶ必要があります。

適応症と禁忌症 | 日本温泉協会

食事

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体と心を休めながら中長期間同じ場所に滞在し、湯治を続けるうえで、食事は非常に重要な要素です。特に長期滞在の場合、毎日の食事が健康や気分に与える影響は大きく、飽きずに湯治を続けるためにも、食事の内容やスタイルが重要視されます。

湯治では、費用を抑えられることや、自身の体調や好みに合わせて食事を調整できることから、宿泊施設に自炊設備が整っていることが理想的とされています。自炊を行うことで、健康状態やアレルギー、食事制限などにも柔軟に対応でき、長期滞在でも無理なく健康的な食生活を維持できます。また、地元の新鮮な食材を使った料理を楽しむことができるのも自炊の大きな魅力です。

一方で、自炊設備がない場合や自炊が難しい場合でも、観光旅館のような高カロリー・大盛りの食事が毎日続くと、健康面での負担や食事への飽きが生じる可能性があります。そのため、湯治宿では、湯治客向けにカロリーや量が適切に調整された健康的な食事を提供しているかどうかが重要です。また、バイキング形式で多様なメニューから選べる食事や、周辺にメニューが豊富な飲食店があることも、長期滞在の快適さや満足度を高める要素となります。

湯治における食事は、健康維持や滞在の快適さに直結するため、宿泊先の自炊環境や食事提供の内容、周辺の飲食環境を十分に考慮することが大切です。

環境・場所

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湯治は、日常の喧騒から離れ、静かで落ち着いた環境澄んだ空気の中で行うことが理想とされています。こうした環境で過ごすことで、転地効果が得られ、ストレスが軽減し、自律神経のバランスが整うなど、心身のリフレッシュに繋がります

さらに、湯治の効果を高めるためには、適度な運動も重要です。入浴の合間に無理のない範囲で周辺を散策することで、血行促進やリラックス効果が期待できます。特に、複数の散策コースが整備されている湯治宿であれば、日ごとに異なるコースを楽しむことができ、飽きずに体を動かし続けることができます。これにより、湯治の時間がより有意義なものとなり、心身の健康維持や回復を一層促進できます。

湯治は静かな環境と良質な空気、そして適度な運動が組み合わさることで、その効果を最大限に引き出すことができます。

その他 湯治宿選びにおける重要要素

湯治宿快適度指数とあわせて、以下に当てはまる方は宿のサービスや立地については必ずチェックしてください。

「1人で湯治する」・・・単身宿泊不可の宿でないか要チェック

【持病や体調急変リスクがある】・・・宿周辺の救急対応可能な病院と距離を要チェック(持病悪化リスクをどこまで考慮に入れるべきか、自身の持病に対応できる病院はどこなのか、そもそも宿までの道中は大丈夫か等については、かかりつけ医等から必ず助言を受けてください。)

【からだ等に何らかのハンディキャップがある】・・・バリアフリー対応の宿か要チェック

おわりに

いかがだったでしょうか。

現代においては、ストレス社会といわれる中で、湯治が再び注目されている一方で、優れた泉質や自然環境を持ちながらも、集客に課題を抱える温泉地も少なくありません。そうした温泉地にとって、湯治という伝統的かつ現代的な価値を活かし、新たな魅力として発信することが生き残りの手段となりえると思います。

今後は、独自の指標を用いて湯治に適した温泉を実際に紹介し、その温泉の湯治場としての魅力や力を見える化することで、現代人の健康課題の解決と温泉地の活性化の両面で僅かずつではありますが貢献していきたいと考えています。

是非、この記事を参考に、ぜひ自分に合った湯治宿を探してみてください

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