管理人の湯めぐりウサギです。
青森県平川市にある秘湯「古遠部(ふるとおべ)温泉」は、源泉かけ流しの湯と毎分500ℓの圧倒的な湯量で温泉好きから根強い人気を誇る温泉です。
最近は、事業継続をかけたクラウドファンディングが話題となり、私も温泉ファンとして支援に参加しました。
今回は「古遠部温泉のクラウドファンディングに実際に寄付した体験・感想」と、支援者に届いたお礼の品について記事にしたいと思います。
古遠部温泉とは?温泉ファンを魅了する秘湯の概要
古遠部温泉の場所とアクセス(青森県平川市)
古遠部温泉は、青森県平川市にあり、秋田県との県境付近の温泉です。自然豊かな山中にあり、公式ホームページには、「携帯もつながらない」との記載がありました。
最寄り駅は、JR奥羽本線津軽湯の沢駅でタクシー約5分の距離、車の場合は東北自動車道碇ヶ関ICから約10分強の場所にあります。
住所:青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467
歴史
公式ホームページに記載がありましたが、鉱山の発掘調査で黒鉱発掘のボーリング調査をしたところ、黒鉱の代わりに毎分500ℓ(ドラム缶2本半)という豊富な温泉が湧き、歯科医だった木村氏が温泉の権利を受け、病後の養生所にされたのが古遠部温泉のはじまりとのことです。
1986(昭和61)年に温泉宿として開業、2023年8月より現経営者の後藤正男さんへ事業継承され、今にいたっています。
特徴(泉質・源泉かけ流し・効能)
泉質は、「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉」であり、浴用の適応症は、筋肉痛、関節痛、高血圧、糖尿病、疲労回復、睡眠障害、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症などです(公式ホームページより)。
最大の特徴は、毎分500ℓのお湯が湧き出しており、かつ、それが源泉100%かけ流しの状態で浴槽に注がれているため、浴室の床一面にお湯が流れていることです。
その湯量は、湯船から溢れ出た「こぼれ湯」に仰向けになって寝転がることができるレベルで、その姿がトドに似ていることから、その楽しみ方は「トド寝」として親しまれています。
また、純温泉協会さんの情報では、「塩化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオンを多量に含み、更にナトリウムイオン、カルシウムイオン、そしてメタケイ酸、二酸化炭素も多く含んでおり、お湯は笹濁りを呈し、ほんのり鉄分由来の香りが漂っている「温まる温泉」であり「肌に潤いを与えてくれる温泉」であり「傷を癒してくれる温泉」であり「美肌の温泉」である」、とのことです。
口コミで人気の理由
古遠部温泉が多くの方から支持されている理由は主に以下のとおりです。
- 湯量と泉質(源泉かけ流し・効能)に対する絶大な支持
- 古遠部温泉ならではの楽しみ方「トド寝」の聖地
- 鄙びた雰囲気と秘湯らしさ
温泉ファンや古びた宿に風情を感じる人や湯治を楽しむ人にとっては、一度は訪れたい温泉であり、辺鄙な場所にありながら遠方からのお客さんやリピーターもおられるようです。
古遠部温泉クラウドファンディングに参加した理由
支援募集の背景(老舗温泉と存続の課題)
以下のとおり、事業継続のための施設改修が、古遠部温泉がクラウドファンディングを立ち上げられた目的です。
・建物の修繕・バリアフリー化
・浴槽・浴室の拡張工事
・食事の提供許可がおりる工事
・客室の補修工事
・新しい設備の導入
クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE (キャンプファイヤー)」に詳細な状況が記載されていますが、温泉から出る湿気による建物の老朽化、建物の歪みや床のへこみ、バリアフリー未対応など、今後温泉を続けていくうえで施設改修は避けて通れない状況にあった様子です。
また、以前は食事提供をされていたとのことですが、保健所の規定が厳しくなっており、今の経営者の方が事業継承した際に新たに許可申請をされたところ、「今の設備のままでは食事提供の許可はおろせない」となったようで、お客さんは何かを食べたい場合は、約10㎞ほど降りたところのコンビニや食事処を利用するしかないという状況を解消する目的もあるとのことでした。
温泉好きブロガーとして応援したいと思ったきっかけ
私がこのサイトを運営する大きな目的の一つは、「源泉かけ流し温泉が未来に残る環境づくり」に貢献することです。
全国に温泉はたくさんありますが、ひとつとして全く同じ温泉はありません。一つでも多くの温泉が後世に受け継がれ、人々を癒し続けてほしいと願っています。
そんな思いのなか、ニュースで古遠部温泉のクラウドファンディングを知り、調べていくうちに、その希少な資源やオーナー様の熱意に心を打たれました。自分にも応援できることがあれば――そんな気持ちから支援を決めました。
クラウドファンディング支援で届いたお礼の品(1万円寄付)
お手紙
手書きのお手紙をいただきました。
目標の5千万円に対して寄付額は5百万でしたので、改装工事は小規模になるようです。

※503人の支援者の方がおられる中、少ない人数でご努力されていると思いましたので、発送時期については全然気になっていませんでした。ご丁寧にありがとうございます!
温泉成分の固まった温泉石
個人的に一番欲しかった古遠部温泉の温泉成分の固まった温泉石です。
大半の方にとっては全く分からない感性だと思いますが、私はこの温泉成分が固まってできる独特の形をした温泉石が大好きであり、これが湯口付近や浴槽に付着しているとテンションが上がるのです。
※温泉ファンの中にはこの気持ちが分かる方がおられるのではないでしょうか?「分かる!」と思った方は是非「いいね」やコメントをいただけると嬉しいです。



オリジナルタオル
古遠部温泉の名前が入ったオリジナルタオルをいただきました。
一般的なタオルでありますが、寄付の記念なので普段使いせずに、しばらく保管しようと考えています。
なお、住んでいる場所から遠いので、なかなか古遠部温泉に行くことはできないのですが、訪問する機会をつくれたら、その時に初めてこのタオルを開封して使用したいと考えています。

クラウドファンディングを通じて感じたこと
地域資源を守る取り組みの大切さ
古遠部温泉に限らず、源泉かけ流しの温泉施設や温泉旅館は地方や田舎にあることが多く、資本力が弱かったり、極めて限られた人手で運営されているケースが大半です。
そのような貴重な源泉かけ流し温泉が、地域の人々や温泉ファンに愛され続けるためには、温泉資源の存続を自分事と捉え、一人ひとりが僅かずつでも資源を守り継ぐ取り組みを行っていくことが欠かせないとの思いを今回の件でさらに強くしました。
ファンとして今後期待したいこと
今回の取り組みは、残念ながら目標額の約10%にとどまってしまいましたが、それでも5百万円という多くのお金が集まる結果となりました。
思い描いておられた改装にはならないかもしれませんが、それでもリニューアルに向けて着実に前進される様子なので、温泉ファンとしては、古遠部温泉がこれからも変わらぬ泉質と雰囲気を守り続け、多くの人が癒しと感動を体験できる場として営業されることを願っています。
まとめ|古遠部温泉とクラウドファンディングがつなぐ未来
温泉好きに伝えたいメッセージ
私自身、クラウドファンディングについては以前から知っていましたが、古遠部温泉のニュース記事を見てはじめて「温泉×クラウドファンディング」を意識するようになりました。
最も素晴らしい温泉施設・温泉旅館への応援方法は間違いなく「実際に浸かること」ですが、今回の古遠部温泉の取り組みは、距離や体調の問題で直接行くことはできなくとも、個人ができる応援・支援のあり方があるということに気づくきっかけになりました。
また、支援したことで、お礼の品やオーナー様の温かいメッセージを受け取り、この活動に目を瞑らずに、微力であっても自分自身が直接行動して本当によかったと感じました。
お金の余裕には限界があるので、私自身も十分にこのような活動を支援することはできませんが、今後も「温泉×クラウドファンディング」について意識的に情報収集を続けると同時に、気になった取り組みは本ブログで紹介したいと思いますので、温泉を愛する読者の皆様もお金と心に負担の無い範囲内でこのような活動を支援・発信いただければ大変幸せです。

参考元
日本一お湯がドバドバ出る古遠部温泉を守りたい。 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
青森「古遠部温泉」が宿泊業再開 「青森好き」の常連客が事業継承 – 弘前経済新聞
青森「古遠部温泉」の事業継承者内定 廃業の危機乗り越える – 弘前経済新聞
「古遠部温泉」が営業継続支援者募集 返礼に「廃業まで使える」入浴券など – 弘前経済新聞
コメント