こんにちは!温泉ソムリエの「モガミ」です!
さて、私は本ブログにて、「子連れ家族に安心」というテーマで10を超える記事を書いてまいりましたが、今回は、赤ちゃんや小さなお子さんが安心して入れる温泉を選べるように、肌にやさしい温泉かどうかを見極めるポイントを分かりやすく解説していきます。
結論~まとめ~
結論を最初に書くと、赤ちゃんや小さなお子さんが安心して入れる温泉の条件は以下のとおりです。
- 泉質名が「単純温泉」
- pHが7(中性)に近い
- 温度を38℃に調節可(温泉付客室or貸切風呂)
- お湯に溶けている温泉成分(溶存物質)が多すぎない
- 塩素量が少ない「かけ流し方式」の温泉
続けて、順番にそれぞれの条件に付いて解説します。
泉質~泉質には刺激の強弱がある~
温泉には10種類の泉質がありますが、成分がすべて基準値以内のものを「単純温泉」と呼びます。特定の成分が基準値を超えると、その成分にちなんだ泉質名が付けられます。
温泉成分には体に良い効果がありますが、普段のお風呂にない成分が肌や体に強く反応して、肌トラブルや体調不良を引き起こすこともあります。
とくに乳幼児はそのリスクが高いため、温泉デビューや肌・体調に不安がある時は、刺激が少ない「単純温泉」がおすすめです。 また、酸性泉や硫黄泉は刺激が強く、放射能泉も比較的刺激が強いため、乳幼児には避けた方が安心です。

なお、泉質名は以下のとおり温泉分析書に記載されていることや公式サイトにも表示があることが多いので一度確認してみてください。

※乳幼児や温泉デビューにはリスク回避という意味でおすすめしないものの、酸性泉や硫黄泉、その他泉質の温泉が必ずしも肌に悪影響を与えるという訳ではありません。むしろ、酸性泉や硫黄泉も含めた様々な温泉が肌トラブルの改善につながったとの症例もあるため、その点は誤解のないようお願いします。
pH値~強酸性・強アルカリ性は注意~

あまり知られていませんが、温泉のpH値には大きな幅があります。レモン汁より強い酸性の温泉から、洗剤よりアルカリ性が高い温泉までさまざまです。
酸性の温泉には強い殺菌・抗菌作用があり、アルカリ性の温泉には古い角質や汚れを落とす「ピーリング効果」があります。pH値が中性から外れるほど、これらの特徴は強くなりますが、その分、肌や体への刺激も強くなりトラブルの可能性が高まります。
特に肌が敏感な赤ちゃんや幼児には、基本的にこうした泉質は避け、中性に近い温泉(pH6~8程度)を選ぶのが安心です。
なお、pH値は温泉分析書に記載されているので、温泉分析書が公開されている温泉旅館であれば事前に調べることも可能です。

温泉の温度~ぬるめの温度がおすすめ~

温泉旅館の中にはお湯の温度が高めに設定されていることがありますが、子どもには熱すぎて入れない場合もあります。特に赤ちゃんは約38℃が沐浴に適した温度とされているため、温泉を選ぶ際にはお湯の温度にも気をつけることが大切です。
なお、加水による泉温調整は共同の浴場においてはマナー違反と見なされますので、特に3歳未満の乳幼児と温泉に入るのであれば、その他様々なリスクを避けるという意味でも、温泉付き客室か貸切風呂がある温泉旅館を選択することをおすすめします。
※温泉分析書にある泉温はあくまで湧出地における計測値のため、実際の湯舟の温度と異なります。実際の温度は温泉旅館の公式HPを確認するか、直接温泉旅館に問い合わせてください。
参照元:【医師監修】ベビーバスを使った赤ちゃんの沐浴方法(入浴時間や温度)を解説!|ベビーカレンダー
温泉の濃度~成分が濃すぎる温泉は刺激が強い~
温泉にはナトリウムやカルシウムなど、さまざまな成分が含まれています。これらが体に働きかけることで、私たちは効能という恩恵を受けることができます。
一方で、普段のお風呂には含まれていない成分に触れることで、肌や体が強く反応し、肌トラブルや体調不良につながることもあります。特に乳幼児はそのリスクが高いので注意が必要です。
また、比較的「低刺激」とされる泉質名を持つ温泉であっても、成分の濃度(溶存物質量)が高ければ実際には刺激の強い温泉となる場合もあります。そのため、泉質名だけで安心せず、成分の濃さにも目を向けることが大切です。
なお、溶存物質量は温泉分析書に記載されているので、温泉分析書が公開されている温泉旅館であれば事前に調べることも可能です。ちなみに、この数字が1000mg(1g)/kgを下回る温泉が単純温泉であり、「このラインを上回る=刺激が強い温泉」とまではならないものの、この数字に近い温泉ほど低刺激であり、温泉デビューや肌が弱い方の入浴には安心であると言えます。

お湯の提供方法~かけ流し方式or循環ろ過式~
温泉には、湯水を消毒するなどして再利用する「循環ろ過式」と、湯水を浴槽の中に絶え間なく注ぎ続けて再利用せずに溢れさせる「かけ流し方式」があります。
それぞれの方式にメリット・デメリットがあるのですが、「循環ろ過式」の温泉は一般的に塩素消毒を行っており、この塩素が肌に悪影響を与える可能性がある点は一定の注意が必要です。
一方の「かけ流し方式」は、「循環ろ過式」と比較してレジオネラ菌対策など温泉の衛生状態を保つ難易度が高くなります(前提として大半の温泉施設において衛生管理は徹底されていますが)。
よって、より安全を求めるのであれば、「かけ流し方式」かつ大人数が利用せずお湯が比較的清潔に保たれる温泉付き客室か貸切風呂がある温泉旅館がベストということになります。
※「かけ流し方式」であっても塩素消毒を行っている場合がある点は補足いたします。
泉質以外に注意すべきこと
乳幼児と温泉に行く際は、温泉の泉質以外にも注意すべき点が複数あります。
以下の記事に項目ごとに注意ポイントをまとめていますので、よろしければご覧ください。
初めての子連れ温泉旅行におすすめ!失敗しない宿選び完全ガイド | 温泉ブログ-架け橋
最後に
いかがでしたでしょうか。
温泉は一見同じように見えますが、泉質や温度、濃度、pHなどの違いによって分類されます。そのため、人によって相性が大きく変わることもあり、乳幼児への相性がいい温泉、悪い温泉というのも出てきます。
ただし、ここで紹介した基準は一般的なもので、「すべて条件を満たす温泉なら絶対に肌トラブルが起こらない」や「条件に合わない温泉には赤ちゃんを入れてはいけない」というわけではありません。
もともとアレルギーがあるお子さんは、入浴前に専門医や宿のスタッフに相談するのがおすすめです。 また、温泉に慣れていないうちは、万が一のために家や病院の近くの温泉から始めると安心です。
注意点も多いですが、温泉は癒しや素敵な交流の場でもあります。ルールを守りながら、家族みんなで楽しく入浴してくださいね。
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子連れでも安心なおすすめ源泉かけ流し温泉旅館の一部を本ブログにて紹介しています。
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